前向きにしたたかな女性たち 3/5

人身売買のサバイバーとして逆風を受けながらも今日の「シャクティ・サムハ」を築き支えている女性たち。地震後も組合員を増やし着実に歩み続ける「女性協同組合」の女性たち。
「シャクテイ・サムハ」で通訳をしてくれたクリシュナさんの事務所を訪ねると、買ってきてくれた新聞記事には、アジアの国々における政治の場での女性の比率ランキングが紹介されていた。3月8日の「国際女性デー」を意識した特集記事のようだった。1位はネパールで30%、2位はフィリッピン27%、3位はラオスで25%、次に中国・ベトナムが24%で続く。16位までのランキングに日本はない。
「水道プロジェクト」の会議の場でも副村長は女性だった。村人も女性が多かった。この度20年ぶりで地方議会選挙が行われるそうだ。市内観光の車中で、「この国では市長が男性なら副市長は女性という縛りを設けている」と誇らしげに語っていたガイドさんのことばを実感した。
身分制度(カースト)から解放されず、シャクティ・サムハの活動が示すように人身売買の被害も多い、ヒンドゥ教の慣習(チャウパディ)「生理小屋」が西ネパールでは今でも存在する。そんな中で今年のSEE(以前のSLC)受験者は女の子が3,000人多いと言う。今から10年前に小学校に入学した子ども達である。NCFが就学支援を始めた年とも重なる。NCFでも女の子の里子を希望する里親は多い。過酷な面も残るアンバランスな環境の中でも、前向きにそしてしたたかに女性は生きていると感じた。それが若いネパールという国の魅力なのかもしれない。(原田裕子)

2017.3.3 Kantipur Daily  News  Paper 

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