「2019ネパールスタディツアー」⑮フェクト 11/3


今回のスタディツアーでは前からも訪れて交流しているフェクトと女性協同組合との懇談がありました。フェクト病院ではボランティアの女性たちが多数集まってくれましたが、市長さんまで来られたのにはびっくりしました。NCFがネパールに少しずつ根付いているのだなと感じました。男性と対等に女性の進出が法律で決められているということに日本との違いを知りました。(片山洋子)

キルティプル病院(PHECT)では、日本で地域医療活動にかかわっている参加者が多いこともあり、大きな規模の交流会となりました。PHECTは古くから日本の医療生協と交流があり、キルティプルという地域では日本の医療生協を参考にして地域医療活動に力を入れています。   
(山岡満)

今回の訪問ではキルティプル市長と副市長や病院の幹部、地域で活動している「組合員」のみなさんも多数出席されて、さながら日本の代表団との国際交流会のような様相になりました。PHECTの待遇にとても感謝です。
民医連の「中野・杉並健康友の会」で活動する私にとって、昨年モデル病院の専務理事スーマンさんとの懇談は思いがけないものでしたが、今回は参加者の中に医療生協さいたまの役員をしている方もいてキルティプル市にあ るフェクト病院の訪問がスケジュールの中に計画されていました。広い会場へ案内されて驚いたのは、関係者がこの懇談に大きな期待をもち、民医連の活動から多くを学ぼうと市長、副市長はじめ、病院の経営と診療にかかわる立場の人が多数出席していたことでした。
ネパールは民主化がすすむ過程で「市長が男性なら副は女性」という制度があるとのことで、実際、男性の市長と女性の副市長、そして院長も首に聴診器をかけたまま出席の女性でした。市長は、「病気になる前の予防が大事。そこで研修を受けた女性ボランティア108人が血圧測定や塩分チェックなどの活動をしている」と述べ、ボランティアの代表の女性は「家庭のなかで女性が健康であれば家族も健康に過ごせる。その役に立ちたい」と生き生きと発言していました。「健康」にかかわることだけでなく、「女性のエンパワーメント」でも交流ができたのは有意義でした。
ジェンダーギャップ指数を比較してみると、2018年の統計で日本が110位に対し、ネパールは105位、さらに政治分野についてみるとネパールの66位に対し日本は125位と大きく立ち遅れていました。日本は国会議員など意志決定機関に女性の占める割合が低いことが指摘されていますが、キルティプル市が女性副市長を擁していることを見ても、政治の仕組みを変えていけば日本も可能であると考えさせられました。(石田千恵子)

フェクトネパールの病院がキルティプルにもできたのだという。市長・副市長があいさつに見えた。9月に来日され岡山医療生協を訪問していた。
プラダン先生、スーマンさんとは何年ぶりの再会か?本当に覚えていてくれたのかは疑問だが、スーマンさんのいつもの流暢な日本語が聞けてうれしかった。
この交流で、ネパールの女性の社会進出にびっくりした。同時に日本は遅れた…と思った。議員や役員の半数は女性である。この場に参加してくださったキルティプル病院ともう一つの公立病院の院長はいずれも女性であることに拍手だ。
また、女性の自立という点で国を挙げて取り組んでいることからは大いに学ばなくてはいけない。
キルティプルでは、出産の99%は病院出産とのこと。野原等で自分だけで出産することはなくなったという。しかし、農村地帯等ではまだ残っているという。日本に戻り最近のニュースでも、生理の時は生理小屋での生活を強いられ、暖を取る煙や動物によって死亡する例が後を絶たないと報道されている。
そして「コミュニティ・ヘルス・ボランティア」と称される大勢の人が参加してくださった。10区で65人の方々が、血圧チェック・尿チェック等訓練し地域で活躍するという。戦後、長野県で取り組みが始まり現在も2年任期で活動する「保健補導員」の役割と似ているように思う。行政とのかかわりで誕生した組織なので、組合員が地域で行う医療生協の健康づくり活動とは少し異なるが、健康づくり推進のための学習を行い、健康意識を高め自ら実践し、家族や地域へ広げる健康づくりという点で役割を果たしている。
皆さんと知り合え、ご一緒に楽しく過ごしたネパールの旅、たくさんの経験や学びをすることが出来ツアーに参加させていただいたことに深く感謝です。周りの人にも伝えているところです。(高籐美和子)

私たちが訪問するひと月前、来日していたフェクト役員とキルティプル市長は、日本の医療生協の視察と組合員活動を見学して帰国されていました。スタディツアーでは何度か訪問していたキルティプル病院ですが、今回の訪問では大きな会議室に通され、何とキルティプル市の正副市長と区長が参加され、会場は「医療生協さいたま」代表団?とフェクトネパールの関係者との国際交流の場と化していました。
市と連携した予防医学、特に妊産婦の健康管理に力を入れたいと、多数の女性ボランティアを配置して血圧測定・塩分チェックを行うという報告がありました。昨年のホームスティ時、早朝の公園に体重計と血圧計を持込み、散歩する人たちに測定を勧めていた光景を思い出し、ネパールの実態に納得しました。(原田裕子)

医療生協の代表団??と間違えられるほど力の入れようの交流会でした。理事長、専務理事、院長のほか、キルティプル市長、副市長と地域の健康推進員も参加。市長からは「9月に岡山を訪問し医療生協を見学した。日本の予防医学の考え方に共鳴した。キルティプル市でも市内にある10区の全てに健康推進員を配置し、ネパールに多い高血圧、糖尿病予防のため、今後、全区に血圧計や聴診器を配置する。その測定技術や糖尿病検査の研修をフェクトの協力を得て進めている」との挨拶がありました。キルプティル市の取り組みがネパールでの模範となって、全土に普及してもらいたいものです。
なお、ネパールでは市長が男性なら副市長は女性だと法律で決めているとのこと。ちなみにキルティプル病院の院長も女性でした。国会議員も女性議員の33%以上と比率が憲法で明記されジェンダー・クオーター制が導入されています。まだまだ家父長制度が根強く残る風土ですが、制度作りは日本より先を行っていることがわかりました。(亀山薫)






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